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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,831 字 · 396 頁

青空文庫

いかにこの時代でも、十五歳の小伜に対してこんな役目を云いつけるのは、少しく無理なようにも思われたが、これは迂闊に他人にも頼まれない用向きであるから、長八もわが子に頼むよりほかはなかったのである。その事情を察しているので、長三郎も断わることは出来なかった。

「承知しました」

「けれども、おまえ……」と、お由は我が子に注意するように云った。「家の姉さんの家出したのはほかに仔細のあることで、おとなりの幸之助さんとは係り合いが無いのかも知れないからね。そのつもりで、むやみに手暴な事をしちゃあいけませんよ」

「いや、それは未練だ」と、長八は叱るように云った。「お北が幸之助と裏口で立ち話をしているのを、妹も二、三度見たことがあると云うのだ。お秋も今まで隠していたが、これも二人の立ち話を時々に見たと云う。してみれば、証拠は十分だ。長三郎、決して容赦するなよ。おまえは年の割合には剣術も上達している。万一、幸之助が邪魔をして、刀でも抜いて嚇かすようなことがあったらば、お前も抜いて斬ってしまえ」

内心はどうだか知らないが、父としては斯う命令するよりほかは無かったのであろう。