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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
線上閱讀海野 十三《時計屋敷の秘密(とけいやしきのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 頁
それが私の悪運のつきだった。
それでも私は、この檻から出て生きのびるためいろいろなことをやってみたが、すべてだめであった。屋敷の中にいるのは、地下につないであるヤリウス様と、檻の中の私とだけである。村人はこわがって、誰一人として近づかない。左平をぶら下げた以来とまったままの大時計が、うまく動き出して鳴ってくれ、村人を呼びあつめてくれたらと祈ったが、それもかなわぬことだった。
私は天罰の下ったのを知った。そして今や死にのぞみ、わが罪をざんげして、おゆるしを乞う。最後ののぞみは、誰かが地下から、ヤリウス様をすくい出してくれることだが、これもはかない望みだ。私はヤリウス様をも同様に餓死させて、最後に主人殺しの罪を加えることになるのだ。そう思うと私は、自分の罪のおそろしさに気が変になりそうになる。
神よ、あわれなるわがたましいを救いたまえ。
明治四年十二月門田虎三郎」
大団円
門田虎三郎の遺書だった。
白骨になって檻の中に倒れているのは、門田虎三郎だったのである。
それは何者であろうか。
記憶のよい読者は、この門田虎三郎が、ヤリウスの家扶であったことをおぼえていられることと思う。