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ひがしやまじだいにおけるいちしんしんのせいかつ
東山時代における一縉紳の生活
原 勝郎
線上閱讀原 勝郎《東山時代における一縉紳の生活(ひがしやまじだいにおけるいちしんしんのせいかつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 69,142 字 · 134 頁
よって実隆もやむことを得ず書いてやった。そのほかに上野の僧も来た。信濃の僧も来た。しかしてこれら坂東者の多くは、しかるべき紹介の手蔓を有するもののほか、坂東屋という商人の取次によったらしい。
これら人々の来訪や音信によって得たる実隆の見聞というものは、ずいぶん広かったろうと想像されるが、その上に彼は、当時の人には異域同様に考えられた蝦夷ヶ島に関する知識をも有しておった。というのは、彼が蝦夷人と交際したのではなく、蝦夷ヶ島に渡った僧友松という者が上洛して彼を訪ねたからである。実隆は細川家の被官で、阿波と丹波とへ往来する斎藤彦三郎なる者と懇意であったが、最初友松は丹波の出生者たる関係で、この斎藤につれられて実隆を尋ねた。蝦夷ヶ島から戻ってのち実隆に謁したのは永正四年で、土産として青※(「虫+夫」、第4水準2-87-36)半緡を携えたとある。談話の詳細は日記に見えないが、おそらく蝦夷ヶ島の奇談で時の移るを忘れたことであろう。
実隆は文学者として禅僧等に比してはむしろ日本的趣味の人であった。さりながら漢籍をもかなりに渉猟せること前にも述べたごとくで、明人との交際もあった。