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まつのみさおびじんのいきうめ

松の操美人の生埋

三遊亭 円朝

線上閱讀三遊亭 円朝《松の操美人の生埋(まつのみさおびじんのいきうめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 88,963 字 · 176 頁

青空文庫

ようだが、して其の遠くと云うのは何処へ行くのか、余程遠いかえ」

山「些と遠方へ参りますることで」

宮「はゝア先は何処だえ、上方かえ」

山「もそっと遠方へ」

宮「ハア何か、九州筋長崎へでも参るか」

山「もそっと遠方へ」

宮「はてね、それでは何処へ、じゃが余り遠方へ行かんが宜い、母も老体ではあるし、何処へ行くか」

山「併し是非参らなければならん用で、尤も直に帰ります心得で、事に依れば明日帰ります」

宮「なにを云うのだ、そんな事を云っては分らん、気になって成らんが、何ぞ餞別を遣ろうかの」

山「お餞別を実は頂戴に出ましたので、その餞別は申すも恐入りますが、誰も居りませんから申しますが、私は運が好ければ殿様のお側に居りまして、他へ養子に参りましても鞍置馬に跨り、槍を立って歩ける身の上、不幸にして腹にあるうち、母が石井の家へ帰りまして、私は町家で生立ちまして、それゆえ貴方がお役で御出張になりましても、つい向う前に居りながら、お兄様と日々御機嫌を伺うことも出来ず、弟とお言葉を戴くことも出来んくらいになって居る、これも縁切になって居りますから致し方もございませんが、此の度遠方へ赴きます