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しょくぶつちしき
植物知識
牧野 富太郎
線上閱讀牧野 富太郎《植物知識(しょくぶつちしき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,784 字 · 86 頁
リンゴ
リンゴ
リンゴの果実は、これを縦に割ったり横に切ったりして見れば、よくその内部の様子がわかるから、そうして検して見るがよい。
その中央部に五室に分かれた部分があって、その各室内には二個ずつの褐色な種子が並んでいる。そしてその外側に区切りがあって、それが見られる。すなわちこの区切りを界としてその内部が真の果実であって、この果実部はあえてだれも食わなく捨てるところである。そしてこの区切りと最外の外皮のところまでの間が人の食する部分であるが、この部分は実は本当の果実(中心部をなせる)へ癒合した付属物で、これは杯状をなした花托(すなわち花の梗の頂部)であって、それが厚い肉部となっているのである。
これで見ると、このリンゴの実は本当の果実は食われなく、そしてただそのつきものの変形せる花托、すなわち花梗の末端を食っていることになるが、しかしリンゴを食う人々は、植物学者かあるいは学校で教えられた学生かを除くのほかは、だれもその真相を知っているものはほとんどないであろう。
このリンゴは英語でいえばアップルである。今日の日本人はだれでもこれをリンゴといってすましているが、実をいうとこれはリンゴではなくて、すべからくそれをトウリンゴまたはオオリンゴ、あるいはセイヨウリンゴといわねばならぬものである。