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しょくぶつき

植物記

牧野 富太郎

線上閱讀牧野 富太郎《植物記(しょくぶつき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 165,848 字 · 327 頁

青空文庫

今日では外国から種々の品種が取寄せられているので、世間で変った品が多く見られる事は昔日の比ではない。従ってその葉の状態や実の形状もいろいろある。

支那でも葡萄は同国に産したのではなく昔は無かった。漢の時代に張騫という人が西域に使しその地からその種子を携えて帰りそれを支那へ伝えたから、同国でも次第にそれが拡まったのである。しかし同国の西の方の遠い辺鄙の地には既にそれ以前からこれがあったという事である。

しからばブドウの原産地は何処であるかと繹ぬると、それは蓋し欧洲の東南部から印度の西部にかけたその間の地がその本国であろうと学者達は言っている。そしてこのブドウの学名は Vitis vinifera L. である。

和名のブドウは葡萄の字音から来たものであるが、しかし支那では葡萄の古名は蒲桃であった(熱国に蒲桃すなわちフトモモという常緑樹があるが、無論それではない)。支那の学者は葡萄について次のように言っている。すなわち「葡萄に蒲桃と書いてある。これで酒が造られる。人がこれを※飲すると陶然として酔うのでそれでこの名がある。その実の円い者を草竜珠といい、長い者を馬乳葡萄といい、白い者を水晶葡萄といい、黒い者を紫葡萄という」