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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

線上閱讀橘 外男《橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇(いんじゅうトリステサ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 154,788 字 · 299 頁

青空文庫

各紙大同小異ではあったが、それを要約してみると大要左のごとき記事なのであった。

かねて再三報道せるごとく、有名なる動物組織学の泰斗、前ケムブリッジ大学教授、ヴィルダー・ゲイレック博士一行の捜査のため倫敦大学派遣のエムメット・スティヴンス教授一行が葡領アンゴラ、フィラ奥地方面の現地へ赴いたことは、既報したごとくであったが、同探検隊の精密なる現地探検の甲斐もなく、同博士一行の足跡は杳として何らの手懸りもなく、殊に該奥地地方は今やいよいよ雨季となり各河川湖沼は、ことごとく増水、もはや、到底詮すべきなきをもって、該探検調査隊一行も、近々捜査を打ち切りひとまず倫敦帰還を決行するに決定せる旨、本日該地より関係各方面へ入電ありたり

というロアンダ滞在ロイテル通信員よりの特電なのであった。そしてこれだけでは、何のことやらもちろん私には、その意味さえも捕捉できなかったし、その再三の報道というのも、おそらくは私がまだ英国へ引き揚げて来ぬ間の報道なのであったろうから、私のような最近の帰朝客には興味も持てぬ一通の外電にすぎなかったのであったが、ふとその時、私を飛び上らせるほど驚かせたのは、この電文の参照として掲げられた、新聞社の注記事だったのであった。