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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 頁
塾堂と名のつくところでは、そのころほとんどつきもののようになっていた「みそぎ」とか、「沈黙の労働」とか、およそそういった、いわゆる「鍛練」的な行事が全く見当たらないのは、むしろみんなには、ふしぎに思われたくらいであった。五時半起床というのが、二月の武蔵野では、ちょっとつらそうにも思えたが、それも青年たちにとっては、決しておどろくほどのことではなかった。むしろかれらをおどろかしたのは、生活にうるおいを与えるような行事が、かなりの程度に、織りこまれていることであった。とにかく、見る人が見れば、日常生活を深め高める目的で、すべてが計画されているということが明らかであった。
相談は安易にすぎるほど、すらすらとはこび、ほとんど無修正だった。特異な行事を期待していた塾生たちにとっては、多少物足りなく感じられたらしかったが、そのために、これという強硬な主張も出なかった。最も多く発言したのは飯島だった。しかし、それも、自分の存在を印象づける目的以上の発言ではなく、たいていは原案賛成の意見をのべ、同時に進行係をつとめるといったふうであった。田川は、はじめから終わりまで、一言も口をきかなかった。