輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 頁
」
「心臓だね、じっさい。」
「その心臓に負けて、いやいやながら全員一致の推薦をやったというわけか。」
「妙なもんだね、選挙なんて。」
「選挙なんてそんなものらしいよ。どこでもたいていは心臓の強いのが勝っているんだ。」
「はっはっはっ。」
次郎は、そんな対話の中にも、友愛塾に課された大きな問題があると思った。そして、かれらの話がどう発展していくかを興味をもって待っていた。かれらは、しかし、笑ったあと、急に口をつぐんでしまった。次郎が大便所の中にいることをだれかが思い出して、みんなのおしゃべりを制止する合い図をしたものらしい。
次郎と大河とは、間もなく、それぞれに最初の大便所の掃除を終わって、となりの大便所に移っていた。まだだれも手をかけない大便所が、あいだに三つほどはさまっている。次郎は、さっきから、大河に話しかけてみたい気持ちは十分だった。しかし、遠くからのかけ合い話は、この場合、何となくぴったりしなかったし、また、雑巾をゆすぎに出たついでに、そっとのぞいて見た大河の様子が、いかにも沈黙の行者といった感銘をかれに与えていたので、口をきるのがよけいにためらわれるのだった。