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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 頁
「だって、おそろしく、かまえていらっしゃるでしょう? あたしなんか、まるで相手にならないっていうふうに。」
「そんな……」
と言いかけたが、次郎の舌は、それっきり動かなかった。
「あたし、さっきから考えていますの。塾生活なんかなさると、自然そんなふうにおなりなのじゃないかしらって。」
道江はひやかしているのか、腹をたてているのかわからないような調子で言った。それが、次郎の胸にはひどくこたえた。かれはそのあと、ろくに塾の説明もできなくなったのだった。
しかし、よりいっそう大きな打撃をかれにあたえたのは、一通り案内を終わって、最後にかれの居室をのぞいたとき、それまでほとんど口をきかないでいた恭一が、まじまじとかれの顔を見つめながら言ったことだった。
「今日は、君、たしかにどうかしてるね。ぼくの眼にも、いつもと非常に違っているように見えるよ。何か苦しんでいることがあるんじゃない? もしそうだったら、打ちあけて朝倉先生に相談するがいいじゃないか。むろん、ぼくでよかったら、いくらでも相談にのるがね。」
次郎は、恥ずかしさと腹だたしさとで、顔中が引きつるような気持ちだった。