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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 頁
ようになって来ていたのだった。ことにこのごろのように、内心の動揺がはげしくなり、自己嫌悪の気持ちが深まって来ると、その中の一句一句が実感をもって胸にせまり、もう一ときもそれが手放せなくなって来たのである。
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二月二十四日は日曜だった。昨日の正午ごろからふり出した雪は、まだやんでいなかった。やむどころか、朝のラジオは、近年まれな新記録を出すかもしれないとさえ報じた。寒さもことのほかきびしかった。そのために、昨夜までは外出を計画していた塾生たちも、一人残らずそれを断念し、めずらしくみんなそろって日曜の一日を塾内ですごすことになったのである。
次郎も、実をいうと、内々その日の外出を、計画していた一人だった。かれは「歎異抄」に親しんでいるうちに、しだいに自分のこれまでの虚偽にたえられなくなり、いっそ自分から恭一の下宿をたずね、思いきって何もかも打ちあけてしまいたい、という気になっていたのである。むろん、かれは、自分が外出することをだれにももらしてはいなかった。それをもらしたために、塾生たちに道案内をせがまれたりして、行動の自由を束縛されてはならないと思ったからである。