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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 頁
」
しかし、どこからも発言するものがなかった。室内はしんとして、ほうぼうにすえてある火鉢の中で、かすかに、炭火のはねる音がきこえていた。
すると、窓ぎわの卓についた大河無門が、だしぬけに言った。
「興国塾の塾長先生は、ひる間のぼくたちの話をきいていてくだすったようですが、何かそれについてご注意くださることはありませんか。」
小関氏の眼がまたぴかりと光った。氏は、その眼をいりつくように大河のほうに注ぎながら、
「それは大いにある。しかし今日は私の出る幕ではない。私の考えは帰ってから私のほうの塾生だけに話せばいいのだ。」
また沈黙がつづいた。次郎はそっと朝倉先生の顔をのぞいたが、先生はやはり眼をつぶっているきりだった。
「では、問題もなさそうですから、すぐ懇親会にうつります。」
次郎は思いきって言った。そしてさっさと予定の計画を進めていった。次郎たちの計画では、しょっぱなから、固い気分を徹底的にぶちこわすことであった。
そのためには、まず第一に、朝倉先生夫妻をはじめ、友愛塾がわが総立ちになって、例の友変塾音頭を踊るのが、もっとも効果的だと思われた。この予想はみごとに的ちゅうした。