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ぶしをえびすということのこう
武士を夷ということの考
喜田 貞吉
線上閱讀喜田 貞吉《武士を夷ということの考(ぶしをえびすということのこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 17,305 字 · 34 頁
後には夷俘・俘囚らも次第に同化して、いわゆる東人と相択ばざるものとなり、ここに東国より奥羽に渉りて武士なる一階級を生じたり。彼らはいわゆる武士道を重んじ、その主すなわち「頼うだ人」のためには身命をも惜しまず、進むを好み、退くを恥じ、ひたすらに、名を重んずること、古えの佐伯部が「海行かば水浸く屍云々」と称えられ、東人が「額には箭は立つとも背は箭は立たじ」と賞せられたりしと同一なりき。
さればよしや血統の上に彼らが蝦夷となんらの関係なく、またみずからその関係なきを信じ、他よりもまた然か認めらるるものにありても、そのひたすらに武をのみ重んじて、文を軽んじ(関東武士の無学なりしことは「東人考」中に述べたり)、挙動、風采、粗野なるにおいては、京畿の※(「てへん+晉」、第3水準1-84-87)紳がこれを目して夷となさんは、自然の勢いなりといわざるべからず。いわんや事実上彼らの中には、夷人と直接、間接に関係を有するものの少からざるべきをや。されば武士を夷ということにつきては、もとよりこれを貶称するの意味もあるべきなれど、種族的にこれが解説を求むること、また一の見解たるを失わざるべしと信ずるなり。