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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
線上閱讀黒島 伝治《武装せる市街(ぶそうせるしがい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,959 字 · 234 頁
殺人をやったものもあった。邦人で無惨に殺された者も二人や三人ではきかない。
彼等は庄長から金をせびり、若しよこさなければ、土墻をめぐらした村を襲い、妻女を奪い、家を焼き、村民全部を惨殺したりなどもやった。たび/\それをやった。いくら晒し首にしたところで、彼等の悪業のむくいとしてはやり足らぬかもしれなかった。だから、掠奪の被害をなめた群集は、むしろ残忍な殺し方を歓喜した。
「跪下!」
洋車からおろされた三人に、馬上の士官が叫んだ。三人は、へたばるように、くた/\と地べたに膝をついた。兵士は、荒々しく囚徒の肩を掴んだ。
「西へ向くんだ、馬鹿! そんな方に向いて仕置きを受けるちゅう法があるか、馬鹿!」
また鎖が鳴った。三人は一間半ずつの距離に坐り直らされた。
一人の肥ったせいの高い兵士は、青竜刀を肩からはずして、空間に気合をかけて斬る練習のようなことをやっていた。青竜刀は刃のところだけがぴか/\光っていた。鉈のようだ。
「包子を持ってこい! 包子を持ってこい! 包子が食いてえんだ!」
さきに、砲台牌を要求したデボチンは、足の鎖を鳴らし、縛られた自由のきかない手を、ぱたぱたやって、メリケン粉の皮に豚肉を入れて蒸した包子をほしがった。