輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
れきしのおちぼ
歴史の落穂
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《歴史の落穂(れきしのおちぼ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,780 字 · 17 頁
というきわめて短い感想を森茉莉氏が書いておられた。それは僅か、二三枚の長さの文章である。「私達はいつの間にかただの女ではなく『銃後の女性』になってしまっていた。一朝事があれば私も『銃後の女性』という名にぴったりした行動は取れなくても、避難の時までものを見、感じ、書く、という形で銃後を守る心持はあるが」と、後半では物質に不自由がなくて生きる苦しみなぞと言うことは申訳のない事のようだが、「生きている事の苦しさがますますひどくなる」その苦しみに疲れてかえって苦しみを忘れたように感じられる瞬間の心持、また苦しさの中にあっても「少女のように新鮮に楽しく生きて行くという理想に少しでも近づきたい」それは書くことを機会としてゆきたいという気持が語られてあるのであった。
森さんのこの文章をよんで、私はあの日、門をあけて出て来た女のひとが、やっぱり森さんであったろうという確信をたかめた。それから、あの日、車の中の私に向って目にとまるかとまらないかの笑みをふくんだ視線を向けていた女のひとも。あの女のひとの趣味や華やかさを寂しさに沈めて、それなのに素直でいるような風情は、森さんの短いうちに複雑な心のたたみこまれている文章をよんで、はっきりとうなずける。