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しまでをかたる

死までを語る

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《死までを語る(しまでをかたる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 42,739 字 · 85 頁

青空文庫

「それは困る」

と云い出して――私らは卒業後であったが、大いに、憤慨したものである。市岡中学が、野球で、大阪府下を圧したのも、その時分から。柔剣道にかけては、絶対に、市岡のものであった。

この中堅会の大将は、東惣平で、私は弱いから、そういう事には出ず、煽動ばかりしていた。

学友の間では、そうだし、教室へ出ると数学や、英語の時には、小さくなっているが、漢文や、歴史の時には、何んとか、かとかいうし、ある時なんどは、漢文の先生と対立して下らず、東惣平が

「植村、黙れ」

と、云って、立上った事さえあった。そして、四年の時の、演説会に「試験亡国論」というものを弁じて、とうとう

「あいつ、退学ささんといかん」

という事になった。暑中休暇の初めであったが――その時に、木村先生と、体操の式田先生とが、大いに弁じてくれたし、休暇中に、うやむやになって、危く、五年まで行ったが、この衣鉢を、黒田新(帝展特選になった洋画家)がついで、時々学校をやっつけていた。

この中学通学中、命を亡いかけた事が二度ある。一度は、河合という友人の家へ行った時、ピストルを河合が放った。装弾していないつもりで、口を私の方へ向けていたが、入っていて、私の耳とすれすれに、うしろの押入れへぶち込んだ。