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ひかくしんわがく
比較神話学
高木 敏雄
線上閱讀高木 敏雄《比較神話学(ひかくしんわがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 177,624 字 · 348 頁
但し語源論に関し、並びに説話の構成に関して、茲に述べたる意識的と無意識的との区別は、語源論発生の、当時に見、説話構成の際に考えて、立てたる者にして、要するに説話研究者がその研究の際に、眼中に置く可き、重要の標準たるに過ぎず。民俗の意識中に於ては、本来意識的のものと雖も一度びその意識的のものたること、忘却せらるる時は、無意識のものと、毫も異る所ある可からず。兒島高徳忠勤の歴史は、仮に一説に従って、『太平記』の作者兒島法師が、意識的に作為したる、一個の説話に過ぎずとするも、今日に於ては、歴史研究者の眼中に於てこそ、楠正成忠勤の歴史とは、同様に論ず可くもあらずとも、民俗の眼中には、更に区別する所あらざる可きなり。この点もまた大に注意するを要す。
以上の所説を説明せんが為めに、左の日本神話中より、数個の例を挙げん。
日本国語の特質として、発音類似の語の多きこと、之れ民間語源論発生の、第一に数う可き、重なる原因にして、その第二の原因は、漢字使用と、漢字借用とに在り。或時は漢字の意義に従て、そのままに之を使用し、或ときは単にその音を取りて、一種の符号の如くに、之を借用し、甚しきに至りては、漢字本来の音と訓と意義とを外にして、殆んど謎語的に之を用いし場合少からず。