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ひょうがきのかいじん
氷河期の怪人
海野 十三
線上閱讀海野 十三《氷河期の怪人(ひょうがきのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,321 字 · 15 頁
ヒマラヤ越え
このふしぎな物語は旅客機ヤヨイ号が、ヒマラヤ山脈中に不時着した(?)事件から、はしなくも、くりひろげられる。
このヤヨイ号には、ある特別な用事をおびて、ヨーロッパへわたる特使団の一行がのっていた。道彦少年も、その中に加わっていた。彼は、団長木谷博士の小さい秘書だった。
世界地図をひろげてみるとわかるが、日本からヨーロッパへとぶには、どうしても、ヒマラヤ山脈にぶつかるのであった。ヤヨイ号は、仏領インドシナ某地点で、多量のガソリンやオイルを積みこんでから、ふわりと空へまいあがったのであった。
インドの上をとぶことができれば、都合がよかったのであるが、あいにく気象状態がよくないので、この国の上へは、なるべくとばない方がよかった。だから針路をインドの北どなりにとり、まるで天然の万里の長城のようなヒマラヤ山脈を越え、チベットやネパールやブータンの国々の間をぬい、そして一気にアフガニスタン国のカブールという都市まで無着陸の飛行をつづけなければならなかった。これは全航路の中で、一等あぶないところであった。ヤヨイ号は、ついに、この大難所にさしかかった。