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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《江戸情話集(かごつるべ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 203,779 字 · 407 頁
「なにしろ、わたしも主人持ちだから、毎日見舞いに来るわけにもいかない。まあ、皆さん、なにぶん願いますよ」と、林之助はみんなにくれぐれも頼んでいた。
まったくきょうは忙がしいからだであるので、ゆっくりとここに坐り込んでいることを許されなかった。彼は小半※(「日+向」、第3水準1-85-25)ばかりで病人の枕もとを起った。
帰るときに豊吉が格子の外まで送って出た。
「旦那、ようござんすかえ。姐さんは九死一生という場合なんですぜ。お屋敷の御用は仕方がありませんが、ほかの何事をおいてもここへ来なけりゃあ義理が済みませんぜ。どうで死ぬもんだからなんて薄情なことはしっこなしですぜ」
林之助はだまってうなずいた。
「不二屋のお里のおふくろが死んだそうですね」と、豊吉はまた言った。
どこか急所をえぐられたように、林之助ははっと顔色を変えて、すぐには返事が出来なかった。
十四
林之助が帰ると、やがて午が近づいた。青物市ももうそろそろ引ける時刻になったので、観世物小屋に用のある人たちは一度に起った。豊吉とお若は連れ立って帰った。お絹はもがき疲れてしばらく昏々と睡っていた。