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ほうそうやわ
法窓夜話
穂積 陳重
線上閱讀穂積 陳重《法窓夜話(ほうそうやわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 136,325 字 · 264 頁
九 大津事件
依って明治十三年発布の刑法以来、皇室に対する罪および国事犯に関する条規を刑典中に見るに至った。
九 大津事件
法の粗密に関する利害は一概には断言し難いものであるが、刑法の如き、特に正文に拠るに非ざれば処断することを許さぬ法律は、たとい殆んど起り得べからざる事柄でも、事の極めて重大なるものは、その規定を設けて置かねばならぬということは、大津事件および幸徳事件の発生に依って明らかである。皇室に対する罪は、前に話した如く、副島伯の議論に依って一度削除されてしまったが、その後ち、伊藤公の議に依って規定を設けられたために、幸徳らの大逆事件も、拠って処断すべき法文があったのである。しかるに、同じく伊藤公の議によって刑法中にその規定を設けられなかった事について、最大困難に逢着したことが起った。それは即ち有名な大津事件である。
明治二十四年五月十一日、滋賀県の巡査津田三蔵なる者が、当時我邦に御来遊中なる露国皇太子殿下(今帝陛下)を大津町において要撃し、その佩剣をもって頭部に創を負わせ奉った。この報が一たび伝わるや、挙国震駭し、殊に政府においては、今にも露国は問罪の師を起すであろうとまで心配し、その善後策について苦心を重ねたのであった。