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じんだいしのけんきゅうほう

津田左右吉歴史論集

津田 左右吉

線上閱讀津田 左右吉《津田左右吉歴史論集(じんだいしのけんきゅうほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 頁

青空文庫

五

どうして上代にそういう風習が生じたのかは問題であるが、事実そうであったと見なされる。テンム(天武)天皇の時は親政であったかと思われるが、ジトウ(持統)天皇の時はもはやそうではなくなり、それから後は概ねフジワラ(藤原)氏などの権家が実権をもつようになった。上代は天皇の親政であったというのは、エド時代の末にトクガワ(徳川)氏が実権をもっていることを非とするところからいい出されたことであって、歴史上の事実を明らめた上の考ではない。

五

こういう二、三の例のように、必ずしも権力者の恣な主張や固陋な思想やから出たものとはいわれないけれども、歴史上のたしかな事実にもとづかない考がいろいろあり、そうしてそれらはみな学問的方法によって歴史を研究しないところから生じたものである。その学問的方法をここで説明がましくいうには及ばず、またそういうことをすべき場合でもないが、ただ次のことだけはいっておくべきであろう。

それは、学問的に古典を取扱うには、古典の用語文字の意義をこまかに考え、その意義のままに、それを解釈すべきであって、その間に私意を交えてはならず、上代人の述作は上代人の思想によってそれを理解すべきであって、後世の思想でそれを見てはならぬこと、これが第一の用意であるということ、――こういう用意の下に古典に記されている神代