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じんだいしのけんきゅうほう
津田左右吉歴史論集
津田 左右吉
線上閱讀津田 左右吉《津田左右吉歴史論集(じんだいしのけんきゅうほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 頁
だから、武家政府の地方武士に対する統率力が弱くなると、武士がそれぞれ自由の行動をとることになり、その勢のおしつまったのが戦国の世である。そうしてその戦国割拠のありさまをそのまま固定させたのが、江戸時代になってできあがったいわゆる封建制度、即ち多数の大名が地方においてそれぞれ世襲の領土民衆を与えられている制度、である。この封建制度は、自由な行動のできないように巧なしかたで諸大名をしばりつけておいたところに、徳川幕府の強い権力のはたらいているものではあったが、大名はそれぞれの領地に富と武力とをもっていたし、その城下はおのずから地方的文化の中心ともなっていたのであるから、幕府の置かれた江戸にすべての力とはたらきとが集中せられていたのではない。特に大阪をはじめとして各地方に純粋な商業都市さえもあって、富と経済力とがそこに蓄えられ、または盛なはたらきをしたし、また名高い学者がそれぞれ郷里にいて、そこへ全国からの学生をひきよせたような例もある。だから、江戸時代の日本の民族的のはたらきは、全国的に行われたのである。もともと封建制度は一方では民族の力を地方的に分散させるものではあるけれども、それと共に他方では、一つの大名ごとにそれぞれの団結を作らせ、まとまったはたらきをさせるものであるから、一つの意味においては、全民族