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じんだいしのけんきゅうほう

津田左右吉歴史論集

津田 左右吉

線上閱讀津田 左右吉《津田左右吉歴史論集(じんだいしのけんきゅうほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 頁

青空文庫

日本とシナとのことばは違うが、ことばをくみたてる音には似よったものがあるから、こういうことができたのである。ハルということばを波留と書くようなのがそれである。次には日本のことばと似よった意義をもつシナのことばをうつした文字をつかうことであって、ハルを春と書くようなのがそれである。これは文字の音をすて意義だけをとったのであって、その意義を日本のことばでいいあらわすことを訓といっていた。こういう二つのしかたで、シナの文字を用いて日本のことばをうつしたのである。そうしてこの第一のしかたからカタカナ及びヒラガナ、即ち日本の音をうつした日本の文字、が作り出されるようになったのである。そこで日本のことばをうつすには、シナの文字の必要がなくなったはずであるが、しかしシナの文字を訓によってつかう昔からのならわしもなくなりはせず、また単語としてはシナのことばをそのままにとり、従って音と意義との両方を併せ用いるシナ文字のつかいかたも行われたのである。けれども、ともかくもシナの文字から日本の文字をつくり出し、それによって日本のことばをうつすようになったことは、明かであり、そうしてそれによって日本の文学がはじめて大に発展することができるようになった。