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じんだいしのけんきゅうほう
津田左右吉歴史論集
津田 左右吉
線上閱讀津田 左右吉《津田左右吉歴史論集(じんだいしのけんきゅうほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 頁
故に人々は之に順応せなければならぬ。人の力は極めて小なるものであるから決して神に逆ってはならぬと考えておったのであります。如此き世界観を有するものが何うして現状打破の叫を挙げましょう。下って平田に至りましてもその考は少しも宣長と違っておりません。世の中に不満な事があり、社会に悪事が行われてもこれ何らか神の深い思召しであろうと考えた。もっとも時代は徐々に変化し、平田の時代に至っては外国との交渉漸くその端を開いたのであります。然るに平田は之を以て甚だ結構なる事としたのであってこれ当時の漢学者と著しく面目を異にする所であります。幕末日本においては攘夷開国の論が甚だ盛であって紛々擾々、両々相対して共に降るを欲しなかったのであるが、国学者は寧ろ開国を以て良い事であると考えたのであります。而して彼らは之を日本の国体に適合するように説明した。即ち日本は本の国、上等の国飛び切りの国であるから坤輿の上、日本王にまさる帝王はない。天皇は万国諸王に冠絶する。此処において外国は神国の威風を慕うて渡来するのだ。彼らに接するに天皇自ら出で給わず、将軍代って之を為すは、正に諸国の王侯が我天皇の下位にあるを立証するものではないかと説明したのであります。