輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
〔『しなしそうとにほん』しょはん〕まえがき
津田左右吉歴史論集
津田 左右吉
線上閱讀津田 左右吉《津田左右吉歴史論集(〔『しなしそうとにほん』しょはん〕まえがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 79,004 字 · 156 頁
ものである、という考があったのである。
しかし実際において政治を左右する力をもっていたいわゆる藩閥は、こういう思想の傾向には反対の態度をとり、宮廷その他の諸方面に存在する固陋なる守旧思想もまたそれと結びついて、皇室を国民とは隔離した高い地位に置くことによってその尊厳を示そうとし、それと共に、シナ思想にも一つの由来はありながら、当時においてはやはりヨウロッパからとり入れられたものとすべき、帝王と民衆とを対立するものとする思想を根拠として、国民に対する天皇の権力を強くし政治上における国民のはたらきをできるだけ抑制することが、皇室の地位を鞏固にする道であると考えた。憲法はこのような情勢の下に制定せられたのである。そうしてそれと共に、同じくヨウロッパの一国から学ばれた官僚制度が設けられ、行政の実権が漸次その官僚に移ってゆくようになった。なおメイジ維新によって幕府と封建諸侯とからとりあげられた軍事の権が一般政務の間に優越な地位を占めていた。これらのいろいろの事情によって、皇室は煩雑にして冷厳なる儀礼的雰囲気の裡にとざされることによって、国民とは或る距離を隔てて相対する地位におかれ、国民は皇室に対して親愛の情を抱くよりはその権力と威厳とに服従するようにしむけられた。