輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

いきにんぎょう

活人形

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《活人形(いきにんぎょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,111 字 · 82 頁

青空文庫

裂けたらむがごとく颯と開きて、身には微傷も負わざりけり。

大名の住めりし邸なれば、壁と見せて忍び戸を拵え置き、それより間道への抜穴など、旧き建物にはあることなり。人形の後の小座敷もこれと同じきものなるべし。

こは怪しやと思いながら、開きたる壁の外を見るに、暗くてしかとは見分け難きが、壇階子めきたるものあり。静に蹈みて下り行くに足はやがて地に附きつ、暗さはいよいよ増りぬれど、土平らにて歩むに易し。西へ西へと志して爪探りに進み行けば、蝙蝠顔に飛び違い、清水の滴々膚を透して、物凄きこと言わむ方無し。とこうして道のほど、一町ばかり行きける時、遥に梟の目のごとき洞穴の出口見えぬ。

この洞穴は比企ヶ谷の森の中にあり。さして目立つほどのものにあらねば、誰も這入って見た者無し。

下枝は穴を這出でて始めて天日を拝したる、喜び譬えんものも無く、死なんとしたる気を替えて、誰か慈悲ある人に縋りて、身の窮苦を歎き訴え、扶助を乞わんと思いつる。そは夕暮のことにして、畦道より北の方、里ある方へぞ歩みたれ。

(得三が高楼にて女を見たるはこの時なり。)

かくて下枝は滑川の八橋楼の裏手より、泰助の座敷に入りたるが、浮世に馴れぬ女気に人の邪正を謀りかね、うかとは口を利かれねば、黙して様子を見ているうち、別室に伴われ、一人残され寝床に臥して、越方