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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
線上閱讀二葉亭 四迷《浮雲(うきぐも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,980 字 · 222 頁
奥の間の障子を開けて見ると、果して昇が遊に来ていた。しかも傲然と火鉢の側に大胡坐をかいていた。その傍にお勢がベッタリ坐ッて、何かツベコベと端手なく囀ッていた。少年の議論家は素肌の上に上衣を羽織ッて、仔細らしく首を傾げて、ふかし甘薯の皮を剥いてい、お政は囂々しく針箱を前に控えて、覚束ない手振りでシャツの綻を縫合わせていた。
文三の顔を視ると、昇が顔で電光を光らせた、蓋し挨拶の積で。お勢もまた後方を振反ッて顧は顧たが、「誰かと思ッたら」ト云わぬばかりの索然とした情味の無い面相をして、急にまた彼方を向いてしまッて、
「真個」
ト云いながら、首を傾げてチョイと昇の顔を凝視めた光景。
「真個さ」
「虚言だと聴きませんよ」
アノ筋の解らない他人の談話と云う者は、聞いて余り快くは無いもので。
「チョイと番町まで」ト文三が叔母に会釈をして起上ろうとすると、昇が、
「オイ内海、些し噺が有る」
「些と急ぐから……」
「此方も急ぐんだ」
文三はグット視下ろす、昇は視上げる、眼と眼を疾視合わした、何だか異な塩梅で。それでも文三は渋々ながら坐舗へ這入ッて坐に着いた。
「他の事でも無いんだが」