輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

線上閱讀二葉亭 四迷《浮雲(うきぐも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,980 字 · 222 頁

青空文庫

中を曇らせる事はさて置き、下女と戯れて笑い興じている所へ行きがかりでもすれば、文三を顧みて快気に笑う事さえ有る。この分なら、若し文三が物を言いかけたら、快く返答するかと思われる。四辺に人眼が無い折などには、文三も数々話しかけてみようかとは思ったが、万一に危む心から、暫く差控ていた――差控ているは寧しろ愚に近いとは思いながら、尚お差控ていた。

編物を始めた四五日後の事で有った、或日の夕暮、何か用事が有って文三は奥座敷へ行こうとて、二階を降りてと見ると、お勢が此方へ背を向けて縁端に佇立んでいる。少しうなだれて何か一心に為ていたところ、編物かと思われる。珍らしいうちゆえと思いながら、文三は何心なくお勢の背後を通り抜けようとすると、お勢が彼方向いたままで、突然「まだかえ?」という。勿論人違と見える。が、この数週の間妄想でなければ言葉を交えた事の無いお勢に今思い掛なくやさしく物を言いかけられたので、文三ははっと当惑して我にも無く立留る、お勢も返答の無いを不思議に思ってか、ふと此方を振向く途端に、文三と顔を相視しておッと云って驚いた、しかし驚きは驚いても、狼狽はせず、徒莞爾したばかりで、また彼方向いて、そして編物に取掛ッた。