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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

線上閱讀二葉亭 四迷《浮雲(うきぐも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,980 字 · 222 頁

青空文庫

とか何とか言て貰いたかッた……

「シカシこりゃア嫉妬じゃアない……」

と不図何か憶出して我と我に分疏を言て見たが、まだ何処かくすぐられるようで……不安心で。

行くも厭なり留まるも厭なりで、気がムシャクシャとして肝癪が起る。誰と云て取留めた相手は無いが腹が立つ。何か火急の要事が有るようでまた無いようで、無いようでまた有るようで、立てもいられず坐てもいられず、どうしてもこうしても落着かれない。

落着かれぬままに文三がチト読書でもしたら紛れようかと、書函の書物を手当放題に取出して読みかけて見たが、いッかな争な紛れる事でない。小むずかしい面相をして書物と疾視競したところはまず宜たが、開巻第一章の一行目を反覆読過して見ても、更にその意義を解し得ない。その癖下坐舗でのお勢の笑声は意地悪くも善く聞えて、一回聞けば則ち耳の洞の主人と成ッて、暫らくは立去らぬ。舌鼓を打ちながら文三が腹立しそうに書物を擲却して、腹立しそうに机に靠着ッて、腹立しそうに頬杖を杖き、腹立しそうに何処ともなく凝視めて……フトまた起直ッて、蘇生ッたような顔色をして、

「モシ罷めになッたら……」

ト取外して言いかけて倏忽ハッと心附き、周章て口を鉗んで、吃驚して、狼狽して、遂に憤然となッて、「畜生」