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かいていとし

海底都市

海野 十三

線上閱讀海野 十三《海底都市(かいていとし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,118 字 · 168 頁

青空文庫

それでも僕は、タクマ少年と並んでおとなしく見物を続けた。そのうちに睡くなって、とろとろんとしていると、かん高い女の声が耳にとびこんだので、はっと目ざめた。隣の席で、なにか言い合っているのだった。

「――いいえ違うわ、わたくしは、改造以前の人間といえども、海に棲息し得る特質を具備していると思うの。それは、あの人類は、海から陸へあがってから八千万年を経ているでしょうが、それでも尚且つ人類は、その発生の故郷である海中生活に耐える器官や本能を残して持っていると断定しますわ」

「それは一種の感傷主義だ。もはや人類は、そういう能力を全然失っている。海中生活に耐える器官は痕跡程度残っているかもしらんが、海中棲息の本能なんど有るもんですか」

反対するのは男の声だ。この男女二人の声に、僕はいささか聞きおぼえがあった。

平衡器官

クラゲ座の中の、僕の座席のうしろで、喜歌劇見物はそっちのけにして、しきりに人類学について論じ合っている若い男女の声。それは、昼間、考古学教室で見かけた熱心な学生のダリア嬢とトビ君の声にちがいなかった。

両人は、僕がすぐ前に腰を下ろしていることも気がつかないほど、夢中になって論争を発展させていた。