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りんらくのせいしゅん
淪落の青春
線上閱讀坂口 安吾《淪落の青春(りんらくのせいしゅん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 17,729 字 · 36 頁
それはいっそう野性と情慾の野放図もない逞しさを感じさせ、シャクレた顔に妙に小さく引ッこんでいる目が、いつもたゞ好色の湖に物をうつしている、けだものゝように思われた。
「君は役者もやるのか」
「えゝ、男役でも、女役でも、レビュウもやるのよ。エロレビュウ。私が主役よ。エロの主役。素裸になるのだもの」
「君が」
「えゝ、私だけよ。さすがに、みんな、裸になる勇気はないわね。だから、見物にいらっしゃいよ」
「いつ?」
「クリスマス。二十四日だか二十五日だか、目下議論が二派に分れて、どっちが本当のクリスマスの日だか、まだはっきりしないのよ」
「クリスマス・イヴなら二十四日じゃないか。もう、たった三日しかないじゃないか」
「二十四日、ほんとネ。どうもありがとう。今度、町へ遊びに行きましょうよ。つれて行ってネ」
「あゝ行こう」
「これから、学校へ遊びにこない」
貞吉は少しためらったが、止すことにした。彼はこの女と二人、ほかの誰からも切り離されたところに、二人だけの別天地、原色的な野合を持ちたいと思った。学校で、又、町でほかの誰と、どのポマードと、勝手に何でもするがいゝ。
彼自身はそれらから無心に、全てを切り放して、彼自身の土民的なノスタルジヤを満喫すればそれでいゝのだ。