輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ためいきのへや
溜息の部屋
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《溜息の部屋(ためいきのへや)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,369 字 · 15 頁
楼高く我らは謳う。見よ、これこそ正に我らの人生だ」
みんなのタンブラアが高くあげられた。安土竜太郎は筐からヴァイオリンを取出し、みんなは根来八千代を、擬大理石の卓の上へ押上た。
「チゴイネルワイゼン※(感嘆符二つ、1-8-75)」
根来八千代はうたいだした。みんなは軽く軽く卓を叩いていたが、やがてそれが混声合唱になった。
この奇妙な宴の果てた後、安土竜太郎と沢木七郎は、腕を組みながら深夜の街へ歩きに出て行った。二人の眼は輝き、呼吸は深くなり、足は力強く、凍てついた道を踏緊めて行った。
「そうだ、これこそ人生だ、貧乏と、屈辱と、嘲笑と、そして明日の望みのなくなったときこそ、はじめて我々は人生に触れるのだ」
「落魄とは何だ、もっとも高く己を持する者のみに与えられた美酒ではないか」
そんな事を取止めもなく語りながら、暗い裏街をそれからそれへと、あてどもなく歩き廻った。そして夜明けがたブラフ・シネマの楽屋へ戻って来た彼らは、並木街に面した窓から部屋の中へもぐりこんで寝た。
しかし、こういう亢奮は、べつに安土竜太郎や沢木七郎だけが味わったのではない、一例をあげて云えば、見習の早見俊平が英語学校へ入ろうと決心したのも――これはついに実現されなかったが――その影響であるし、ピアノの粕壁大五郎が、共同で大きなシムホニイを作曲