輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
たきぐち
滝口
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《滝口(たきぐち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 49,815 字 · 99 頁
ただもう韋駄天のように突っ走っていくので、あれでしょうばいになるのかと呆れるばかりである。四方八方、どちらへいっても家ばかり並んでいて、切れ目というものがない。人間とのら犬が多いこと、物売りあきんどが一日じゅう往来して絶えないこと、また一般に言葉が乱暴で、職人などが侍に対してけんつくをくわせる風景など、道で見かけることもさして珍らしくはない。それはいいけれども、家中の者までが酒でも飲むと、べらぼうめとか、こんちくしょうなどと云うのには驚いた。つまり江戸の人間だということをひけらかすつもりらしい、じつに軽薄なものである。そんなことが辛辣な表現で書いてあったが、それらの字句の裏には、初めて大江戸に接した国侍の、おどろきに圧倒されたようすがあらわに感じられた。――二通めはもっぱら見物記のようなもので、上野や浅草、向島や隅田川での舟遊び、猿若町の芝居の豪奢なことなど、こんどはむしろ誇らしげに書いてあった。
そして九月になると、三通めの手紙が届いた。その日は亡くなった妻のお梶の命日に当り、こちらの親族二家と、亡妻の実家である園部の人たちを、祥西願寺に招いて法要をすることになっていた。