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えんげきのようしき――そうろん

演劇の様式――総論

岸田 国士

線上閱讀岸田 国士《演劇の様式――総論(えんげきのようしき――そうろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,091 字 · 22 頁

青空文庫

こういう風にみてくると、「喜劇」という名称の概念が、日本語で考えられるような、ある限られた性格を示すものではないともいえるのであつて、その辺のことは、演劇の様式を論ずるに当つて、一応心得ておくべきことである。

なお、「喜劇」の本質そのものは、美学的にある厳密な定義が与えられないことはない。これはもちろん、「笑い」の哲学として、いく多の主張や研究が既に発表されているばかりでなく、そういう「喜劇的」要素を主とした演劇が文字どおりその名で呼ばれていることも否定できない。そして、それらの「喜劇的」作品は、その主題の性質によつて、また舞台の色調によつて、さまざまに分類され、固有の名称を与えられている。諷刺喜劇、風俗(或は世相)喜劇、恋愛喜劇、などというのがあり、フランスなどでは、十八世紀の頃、ヴォルテールによつて「歴史喜劇」なるものさえ、書かれたことがあり、「涙を催させる喜劇」(Com※(アキュートアクセント付きE小文字)die larmoyante)という反語的な名称で、その時代としては珍しい「ジャンル混淆」の戯曲を発明したルメルシエという作家もいる。