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しょうねん
潤一郎ラビリンスI――初期短編集
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《潤一郎ラビリンスI――初期短編集(しょうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,319 字 · 84 頁
「へえ、此れは人間の縁台でございます!」
と、私は膝の上、仙吉は顔の上へドシリと腰をかけ、彼方此方へ身を揺す振りながら光子の体を臀で蹈んだり壓したりした。
「仙吉、もう白状するから堪忍しておくれよう」
光子は仙吉の臀に口を塞がれ、虫の息のような細い声で憐れみを乞うた。
「そんなら屹度白状しますね。やっぱり先は西洋館に居たんでしょう」
臀を擡げて少し手を緩めながら、仙吉が訊問する。
「あゝ、お前が又連れて行けって云うだろうと思って※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)をついたの。だってお前達をつれて行くと、お母さんに叱られるんだもの」
聞くと仙吉は眼を瞋らして威嚇するように、
「よござんす、連れて行かないんなら。そら、又苦しくなりますよ」
「あいた、あいた。そんなら連れて行くよ。連れてって上げるからもう堪忍しておくれよ。其の代り晝間だと見付かるから晩にしてお呉んな。ね、そうすればそうッと寅造の部屋から鍵を持って来て開けて上げるから、ね、栄ちゃんも行きたければ晩に遊びに来ないか」
とう/\降参し出したので、二人は尚も地面へ抑えつけた儘、色々と晩の手筈を相談した。