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ひとこおりのシャスタさん
火と氷のシャスタ山
小島 烏水
線上閱讀小島 烏水《火と氷のシャスタ山(ひとこおりのシャスタさん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,333 字 · 16 頁
、登山家の興味の中心になって、離群別居の富士山が、大分閑却される傾向があるように)。第四は、山の不幸は、住人の不幸になって、シャスタ山と、切っても切れぬ歴史中の人を、埋没しようとしている。即ちシャスタ山を、世に紹介するために、全力を尽くした土地草分けのシッソン翁(J. H. Sisson)という開拓者のために、シッソンという地名が出来、同名の停車場まであったのが、いつの間にか、土地がシャスタ・シチイと改名せられて、あたらシッソン翁の名は、草莽の間に埋められようとしている(あたかも富士山の役行者の名が、今日忘られかけて、日本アルプスの先達、ガウランドだの、ウェストンだのという名が、若い人たちの口の端に上るようになった如くに)。それから第五、第六の「あたかも」が、未だ続いて挙げられるが、もうその点は打ち切って、私たち同行四人が、シャスタ山に登ったのは、大正八年(一九一九年)九月十一日のことで、未だこの山の草分けを記念するための、シッソンの名が残っていた時分であった。その頃、シャスタに登る人は、一と夏を通して、百人か百五十人位と登録せられていたし、殊に日本人の登山としては、私たちが初めてのものであった(前に日本人が登っていたという記録があるならば、是非知らせていただきたい)。