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かやくせん

火薬船

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火薬船(かやくせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 頁

青空文庫

「みんな、停めろッ!」

とつぜん、晴天の雷鳴のように、どなった者がある。

船長だ。ノーマ号の船長、ノルマンだ。いつの間にか、船長ノルマンは、双方の間へとびだしていた。

「おお」

「うむ、いけねえ」

双方とも、ぎくりとして、にぎりこぶしのやり場に当惑した。

「こらッ、喧嘩したいやつは、こうして呉れるぞ」

ノルマン船長の足が、つつと前に出たかと思うと、彼の両腕が、さっとうごいた。と思うとたんに、彼の両腕には、すぐ傍にいた平靖号の水夫一名と、ノーマ号の水夫一名とが、同じく襟がみをとられて、猫の子のように、ばたばたはじめた。このほそっこい船長には、見かけによらない力があった。そのまま船長は、つつッと甲板をはしって、

「えいッ。」

というと、二人の水夫を、舷からつきおとした。おそるべき力だ。船長は、或る術を心得ているのかもしれない。

どどーンと、大きな水音がした。

「どうだ。後の奴も、海水の塩辛いところを嘗めて来たいか。希望者は、すぐ申出ろ」

と、威風堂々と、あたりを見まわしたが、そのいきおいのはげしいことといったら、見かけによらぬノルマン船長の怪力を知らない者は、窒息しそうになったくらいである。