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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

線上閱讀海野 十三《爆薬の花籠(ばくやくのはなかご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 頁

青空文庫

「おや、僕の本名をよびましたね。化けの皮がはがれては、もう仕方がありませんね。とにかく、いろいろと話がありますが、いつも房枝さんに、かばってもらったことについて、たんとお礼をいいますよ」

「あたしこそ、今日は救っていただいて、すみませんわ」

「なあに、あれくらいのことがなんですか。いつも房枝さんに、かばってもらった御恩がえしをするのは、これからだと思っています。僕は、いそがしいからだですから、間もなく房枝さんの傍をはなれるようになるかもしれませんが、僕の力が入用のときは、いつでも、何なりといってきてください」

と、帆村荘六は、房枝の手に、一枚の名刺をにぎらせたのであった。

房枝が、その名刺をみると、彼が丸ノ内に探偵事務所をもっていることが分かった。東京に不案内の彼女であったから、分からないことは、これから何でもかでも、帆村荘六にきくことにしよう。帆村から、すこしぐらい、うるさがられてもいいであろう。名探偵かは知らないが、今まで半年あまりも、彼とは同じ団員として、同じ釜の飯をたべているという形だったんだから。

(ああそうだ。そのうち折をみて、帆村さんに、あたしの両親の行方とその安否をしらべてもらおうかしら。