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かたこい
片恋
線上閱讀芥川 竜之介《片恋(かたこい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,505 字 · 10 頁
」などと、やったものさ。酒も甘かったろうが、志村も甘かったよ。
そのお徳が、今じゃこんな所で商売をしているんだ。シカゴにいる志村が聞いたら、どんな心もちがするだろう。そう思って、声をかけようとしたが、遠慮した。――お徳の事だ。前には日本橋に居りましたくらいな事は、云っていないものじゃない。
すると、向うから声をかけた。「ずいぶんしばらくだわねえ。私がUにいる時分にお眼にかかった切りなんだから。あなたはちっともお変りにならない。」なんて云う。――お徳の奴め、もう来た時から酔っていたんだ。
が、いくら酔っていても、久しぶりじゃあるし、志村の一件があるもんだから、大に話がもてたろう。すると君、ほかの連中が気を廻わすのを義理だと心得た顔色で、わいわい騒ぎ立てたんだ。何しろ主人役が音頭をとって、逐一白状に及ばない中は、席を立たせないと云うんだから、始末が悪い。そこで、僕は志村のペパミントの話をして、「これは私の親友に臂を食わせた女です。」――莫迦莫迦しいが、そう云った。主人役がもう年配でね。僕は始から、叔父さんにつれられて、お茶屋へ上ったと云う格だったんだ。