輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

きつね

狐

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《狐(きつね)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,471 字 · 17 頁

青空文庫

五

の窓からそとへ」云われてみんな慄然としながらふりかえった、北がわの窓格子が壊れていた、「……ぱっとそとへ飛んだものがあるのです」

「やはり、やはり、妖怪でしょうか」

「しらべてみてください」乙次郎は番士のひとりに提燈をわたした、「じゅうぶん手ごたえはあったのです、屋根の上を見てください」

提燈をさきに、番士たちは窓のほうへ近寄った、壊れている格子のあいだから、ひとりが燈をさしだすと、思いきって身をのりだした番士のひとりが、あっと云って叫んだ、「いる、毛物が倒れている、それそこのところに……」みんな怖いもの見たさに争ってさし覗いた。その窓のすぐ右がわの、屋根瓦の上に、尾のさきまでいれると五尺にあまるほどの野獣が倒れていた。はためく提燈の光で、斬り放された頸の根のすさまじい傷がみえていた。

「狐だ、おそろしく大きなやつだぞ」

五

弥左衛門は婿のてがらを褒めようともせず、むしろ不機嫌な顔つきをしていた。

「窓格子はひどく壊れたのか」

「すっかり造り直さぬといけないようです、ついでにお天守ぜんたい修理をすべきでございましょう、木組みがゆるんでいますし、南がわの矢狭間はひどくいたんでいて、そこから白鷺などがではいりしているようですから」