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さるとびさすけ

猿飛佐助

織田 作之助

線上閱讀織田 作之助《猿飛佐助(さるとびさすけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,413 字 · 60 頁

青空文庫

「あはは……。バテレンもどきの呪文を唱えたかと思えば、罷り出でたる大蟇一匹。児来也ばりの、伊賀流妖魔の術とは、ても貧弱よな、笑止よな。そっちが伊賀流なら、こっちは甲賀流。蛇の道は蛇を、一匹ひねりだせば、一呑みに勝負はつくものを。したが、それでは些か芸がない。打ち見たところ、首をかしげて、何考えるか寒の蛙の寒そうな、ちょっぴり温めてくれようか」

そう言ったかと思うと、はや佐助の五体はぱっと消え失せて、一条の煙が立ちのぼった、――と、見るより、煙は忽ち炎と変じて、あれよあれよという間に、あたり一面火の海と化し甲賀流火遁の術であった。

炎はみるみる蟇の背に乗りうつった。蟇は驚いて飛び上り、

「あッ!熱ウ、熱ウ!」

と、情けない人間の声をだしながら、苦悶の油汗を、タラリタラリと絞り落した。

が、五右衛門もさる者であったから、いつまでも蟇の我慢という洒落に、甘んじていず、再び「南無さつたるま、ふんだりぎや、守護しょうでん、はらいそはらいそ……」

と、必死の呪文を唱えたかと思うと、沛然と雨を降らした。火遁の術を防ぐ水遁の術である。

ところが案に相違して火はますます熾んに燃え、蟇の苦悶は増すばかりであったから、さすがの五右衛門も、