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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 頁
わかったことによって自分が悲しいと思うとか思わないかは、その調子をかえるものではありませんから。自分がこうと希望して、その希望の正しいことも分っていて、そう行っていないとわかって、悲しくないものはないわけですもの。悲しみは人間を(そのつもりでいれば)馬鹿にはしますまい。幸福と称されるものの凡俗さが人間を、いつともしらず虚脱させるようには。
睦は、遙か彼方云々は、一寸お話した通り。一般の危険しかも最も自覚され難い危険の一つとしての感想でした。その意味で、ひとごとでないというのは実際であると思います、あれを書いた気持も其故ですから。
去年の夏からユリが強ばったというのでもなく、去年の諸事情が、私に自分の経て来た道というものをおのずから顧みさせ、目前の事情に耐えようとして、その過去の道の必然であったこと、意味のあったことを自身に確め、認める傾きになり、そういう傾向の折から、客観的な評価や省察のモメントが与えられたという関係を、動的に内的に見て、私としては、折も折からというべき適切な時期に適切な打開であり、それは、倍の効果で作用したと感じて居るのです。些かなりともプラスであるからこそ生じた事情であるとして、真にそれを内容づけるものであったという風にうけています。