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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代唯物論講話(げんだいゆいぶつろんこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 頁

青空文庫

三 自由の概念と文化の自由

三 自由の概念と文化の自由

自由の観念は、実質的に云えば非常に古くから存在している。人類の興味の体系が、単なる自然に対する関心をめぐって存在するだけでなく、その人間的関心自身をテーマとしてとりあげて反省するという、高次の関心が始まると一緒に、自由という観念は実質的には成立している。世界の思想史の正統の上で云えば、この観念を最初に導き入れたものは、ソフィスト達であったと云っていい。

ソフィストの自由の観念には併しながら、三つの重大な条件が与えられている。第一はそこで自由と考えられるものが――但し自由という云わば概念自身はずっと後にルネサンスを機会にして成立すると考えられるが――全く個人の自由にしか相当しなかったという点を注意しなければならぬ。尤も、自由と云えば、どういう場合にしても、哲学的詭弁を弄しない限り、結局は何等かの意味に於て個人の自由に他ならぬ筈であるが、同じく個人の自由と云っても、その個人というものの理解の仕方によって、根本的な相違が出て来るので、少なくとも個人を含む処の何等かの団体を媒介して個人が把握されている場合と、そうでなくて個人を、今云ったこの団体に単に対立させてしか把握していない場合とでは、個人という観念自身が別であり、従って個人の自由という言葉の意味にも決定的な違いが出て来る。