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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代唯物論講話(げんだいゆいぶつろんこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 頁

青空文庫

古代ギリシアの哲学、特にソクラテス以前の哲学――人々は之を自然哲学と呼んでいるが併し当時は之が取りも直さず哲学それ自身だったことを忘れてはならぬ――は、全く空間の問題の周りを回っていたように見える。吾々は今之に就いて三つの歴史的契機を挙げよう。第一は、存在という範疇を初めて理論の対象とした人と見て好いパルメニデス(前五世紀頃)である。彼によれば存在とは在ると云うことである、「ただ存在のみが在り、無はない。」之は併し決して単純な同語反復なのではない、彼によれば、在るということは、空間的に存在することを意味するのである。この場合、存在はだから空間又は空間的存在と一つと考えられているのである。この云わば空間論的な存在論は併し、決してパルメニデス一人の根本予想なのではない。之は、当時までの、又は当時以後しばらくの、ギリシア人の世界観を、偶々彼が最も特徴的に代表した迄に過ぎない。第二の契機は、所謂ギリシア自然哲学として知られているこの本流――パルメニデスはその最も輝いた中継の祖に当る――から見れば、多少傍系の位置に付けられるだろう処の(併し之は考え方によっては少しも傍系なのではなくて却ってギリシア哲学の宗教からの起源を復原しているのだが)、ピュタゴラス(前六世紀頃)(又はピュタゴラス学徒)である。