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げんだいにほんのかいか

現代日本の開化

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《現代日本の開化(げんだいにほんのかいか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,455 字 · 36 頁

青空文庫

元来なぜ人間が開化の流れに沿うて、以上二種の活力を発現しつつ今日に及んだかと云えば生れながらそう云う傾向をもっていると答えるよりほかに仕方がない。これを逆に申せば吾人の今日あるは全くこの本来の傾向あるがためにほかならんのであります。なお進んで云うと元のままで懐手をしていては生存上どうしてもやり切れぬから、それからそれへと順々に押され押されてかく発展を遂げたと言わなければならないのです。してみれば古来何千年の労力と歳月を挙げてようやくの事現代の位置まで進んで来たのであるからして、いやしくもこの二種類の活力が上代から今に至る長い時間に工夫し得た結果として昔よりも生活が楽になっていなければならないはずであります。けれども実際はどうか? 打明けて申せば御互の生活ははなはだ苦しい。昔の人に対して一歩も譲らざる苦痛の下に生活しているのだと云う自覚が御互にある。否開化が進めば進むほど競争がますます劇しくなって生活はいよいよ困難になるような気がする。なるほど以上二種の活力の猛烈な奮闘で開化は贏ち得たに相違ない。しかしこの開化は一般に生活の程度が高くなったという意味で、生存の苦痛が比較的柔げられたという訳ではありません。