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げんだいにほんのかいか

現代日本の開化

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《現代日本の開化(げんだいにほんのかいか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,455 字 · 36 頁

青空文庫

これが開化の産んだ一大パラドックスだと私は考えるのであります。

これから日本の開化に移るのですが、はたして一般的の開化がそんなものであるならば、日本の開化も開化の一種だからそれでよかろうじゃないかでこの講演は済んでしまう訳であります。がそこに一種特別な事情があって、日本の開化はそういかない。なぜそうは行かないか。それを説明するのが今日の講演の主眼である。と申すと玄関を上ってようやく茶の間あたりへ来たくらいの気がして驚くでしょう。しかしそう長くはありません、奥行は存外短かい講演です。やってる方だって長いのは疲れますからできるだけ労力節約の法則に従って早く切り上げるつもりですから、もう少し辛抱して聴いて下さい。

それで現代の日本の開化は前に述べた一般の開化とどこが違うかと云うのが問題です。もし一言にしてこの問題を決しようとするならば私はこう断じたい、西洋の開化(すなわち一般の開化)は内発的であって、日本の現代の開化は外発的である。ここに内発的と云うのは内から自然に出て発展するという意味でちょうど花が開くようにおのずから蕾が破れて花弁が外に向うのを云い、また外発的とは外からおっかぶさった他の力でやむをえず一種の形式を取るのを指したつもりなのです。