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せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《生死卍巴(せいしまんじどもえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 91,598 字 · 182 頁

青空文庫

種の予感によって、神殿の中に高価な物が、蔵されてあるように感じられていた。――その神殿の内陣へ、入って行くことが出来るのであった。

茅野雄の後を尾行るとなれば、小枝を捨てなければならないだろう。弦四郎には小枝が捨てかねた。茅野雄と戦って茅野雄を殺すにしても、小枝を地上へ下ろさねばなるまい。下ろされた小枝は逃げ去るであろう。弦四郎には小枝に逃げられることが、どうにも苦痛でならなかった。

では小枝を小脇に抱えたまま、茅野雄を見捨て丹生川平へ行こうか。すると茅野雄は行衛不明になろう。と、後を尾行て行くことが出来ない。これが弦四郎には苦痛であった。

(百発百中に予言をする、巫女の千賀子が茅野雄に向かって、「山岳へおいでなさりませ、何か得られるでござりましょう」と、こう予言をしたからには、間違いなく茅野雄はその何かを、手に入れるものとみなさなければならない。その何かが何であるかを、俺は大略知っている。恐ろしいほどにも高価なものだ。茅野雄の手へは渡されない。是非とも俺が手に入れなければならない。ではどうしても茅野雄の後を尾行て、彼の行く所へ自分も行って、彼が何かを得ようとするのを、邪魔をして横取りしなければならない)と、いう思惑があるからであった。