輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

線上閱讀田山 花袋《田舎教師 他一編(いなかきょうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 156,097 字 · 312 頁

青空文庫

金のない幾日間の生活は辛かったが、しかし心はさびしくなかった。朝に晩に夜にかれはその女の赤い襠裲姿と、眉の間の遠い色白の顔とを思い出した。そのたびごとにやさしい言葉やら表情やらが流るるようにみなぎりわたった。その女は初会から清三の人並みすぐれた男ぶりとやさしいおとなしい様子とになみなみならぬ情を見せたのであるが、それが一度行き二度行くうちにだんだんとつのって来た。

清三は月末の来るのを待ちかねた。菓子を満足に食えぬのが中でも一番辛かった。机の抽斗しの中には、餅菓子とかビスケットとか羊羮とかいつもきっと入れられてあったが、このごろではただその名残りの赤い青い粉ばかりが残っていた。やむなくかれは南京豆を一銭二銭と買ってくったり、近所の同僚のところを訪問して菓子のご馳走になったりした。のちには菓子屋の婆を説きつけて、月末払いにして借りて来た。

音楽はやはり熱心にやっていた。譜を集めたものがだいぶたまった。授業中唱歌の課目がかれにとって一番おもしろい楽しい時間で、新しい歌に譜を合わせたものを生徒に歌わせて、自分はさもひとかどの音楽家であるかのようにオルガンの前に立って拍子を取った。