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えのかなしみ
画の悲み
国木田 独歩
線上閱讀国木田 独歩《画の悲み(えのかなしみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,772 字 · 10 頁
の競争者となっていた。
然るに全校の人気、校長教員を始め何百の生徒の人気は、温順しい志村に傾いている、志村は色の白い柔和な、女にして見たいような少年、自分は美少年ではあったが、乱暴な傲慢な、喧嘩好きの少年、おまけに何時も級の一番を占めていて、試験の時は必らず最優等の成績を得る処から教員は自分の高慢が癪に触り、生徒は自分の圧制が癪に触り、自分にはどうしても人気が薄い。そこで衆人の心持は、せめて画でなりと志村を第一として、岡本の鼻柱を挫いてやれというつもりであった。自分はよくこの消息を解していた。そして心中ひそかに不平でならぬのは志村の画必ずしも能く出来ていない時でも校長をはじめ衆人がこれを激賞し、自分の画は確かに上出来であっても、さまで賞めてくれ手のないことである。少年ながらも自分は人気というものを悪んでいた。
或日学校で生徒の製作物の展覧会が開かれた。その出品は重に習字、図画、女子は仕立物等で、生徒の父兄姉妹は朝からぞろぞろと押かける。取りどりの評判。製作物を出した生徒は気が気でない、皆なそわそわして展覧室を出たり入ったりしている。自分もこの展覧会に出品するつもりで画紙一枚に大きく馬の頭を書いた。