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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二(うみがめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,507 字 · 291 頁
これはあながちに辻番人の粗忽や伊平の臆病とばかりは言われまい。念のためにその西瓜をたち割って見てはどうだな。」
これには八太郎も異存はなかった。然らば試みに割ってみようというので、彼は刀の小柄を突き立ててきりきりと引きまわすと、西瓜は真っ紅な口をあいて、一匹の青い蛙を吐き出した。蛙は跳ねあがる暇もなしに、八太郎の小柄に突き透された。
「こいつの仕業かな。」と、池部は言った。八太郎は西瓜を真っ二つにして、さらにその中を探ってみると、幾すじかの髪の毛が発見された。長い髪は蛙の後足の一本に強くからみ付いて、あたかもかれをつないでいるかのようにも見られた。
髪の毛は女の物であるらしかった。西瓜が醜い女の顔にみえたのも、それから何かの糸を引いているのかも知れないと思うと、八太郎ももう笑ってはいられなくなった。お米の顔は蒼くなった。伊平はふるえ出した。
「伊平。すぐに八百屋へ行って、この西瓜の出どころを詮議して来い。」と、主人は命令した。
伊平はすぐに出て行ったが、暫くして帰って来て、主人夫婦と客の前でこういう報告をした。八百屋の説明によると、その西瓜は青物市場から仕入れて来たのではない。